昨年にアテネフランセで開催した「没後10年姫田忠義回顧上映会」。
この企画を民映研スタッフを巻き込んで協力のもとにやり切りました。
最強助っ人・遠藤協さんの力によるところも大きいです。
「親父が死んで10年、親父も宮本先生が亡くなって10年くらいで、不思議と先生の話をしなくなった。今井くんも、これからは自分の時代だね!」
姫田さんのご子息・姫田蘭さんから言われました。(個人的な話を晒してしまい、すみません。。)
嬉しかったのですが、
でも僕はこの言葉に戸惑ってしまったのです。
僕が姫田さんに出会い、映像を生業にして20年が経とうとしています。
僕はこれまで、ずっと民映研の意義を素直に信じ、民俗の映像記録の大切さをひたすら実践してきました。(そのことを信じて疑わず・・・。)
ただ、いま頃になって思うのです。
なぜ大事なのか、どういう未来があるのか?
先の回顧上映会は、頑なだった自分の心を揺さぶりました。
特に、民映研の代表作『越後奥三面―山に生かされた日々』(1984年/145分/デジタルリマスター版)。
いままで何度も見ている作品なのに、デジタルリマスター版は印象が全く違っていました。
自分の内面を刺激したのです。
それは民映研で積み上げてきた映像制作のテクニックが、ガタガタと崩れるようでした。
いまの僕は、型にはまり過ぎていやしないか、もっと柔軟でよいのではないのか・・・
もっと素直に、純粋に、下手に、無骨に、生身の人間として記録と表現に向き合うことの必要性を感じたのです。
そう思えるようになった僕の心境変化も含めて、
デジタルリマスター版『越後奥三面』は、エポックメイキングな作品なのです。
そして、この度デジタルリマスター版『越後奥三面』が、
今月4月27日よりポレポレ東中野にで劇場公開が決定しました!!
民族文化映像研究所の作品でロードショーされるのは今回が初めてです。
4月27日(土)からのポレポレ東中野公開が成功すれば、
全国での公開も夢ではありません!
すでにHPなど予告編が公開されております。
特に予告編は見てただきたいです!
公式HP
https://minneiken.wixsite.com/okumiomote
予告編
https://youtu.be/WRJm2ZThQ30?si=Q6ubKsBOP9HyyEwd
ぜひお知り合いの皆さまにも宣伝していただけますと幸いです!!
SNSシェア等の拡散をお願いいたします!!
40年前の出来事なれど、
今こそ見る価値がそこにはあります。
ぜひ見ていただきたい作品です!
***************************
『越後奥三面−山に生かされた日々』デジタルリマスター版
監督・姫田忠義/1984年(2023年)/145分
***************************
昭和の終わりまで、
新潟県の最奥に奇跡のように残されていた山村 <奥三面>
山に寄り添う生活をまるごと残そうとした記録映画の金字塔が
40年の時を経てよみがえる
40年前まで確かに存在した山の暮らし。
その喪失と記録が現代に問いかける。
新潟県の北部、朝日連峰の懐深くに位置する奥三面(おくみおもて)。人々は山にとりつき、山の恵みを受けて暮らしてきた。ケモノの狩り、川魚の漁、山菜やキノコの採集、田畑の耕作。ここには山に生かされた日本人のくらしのすべてがある。その奥三面がダムの底に沈む。記録スタッフは、ダム建設による閉村を前に、一軒の家と畑を借り、山の四季に見事に対応した奥三面の生活を追いはじめた-。
日本を代表する記録映画作家・映像民俗学者の姫田忠義ひきいる民族文化映像研究所が、1980年から4年をかけて撮影。昭和の終わりまで自然に寄り添う暮らしを続けてきた村の最後の姿を、まるごとフィルムで残そうという執念により、世界にも類を見ない記録映画となった。長らく公開の機会が限られていたが、姫田の没後10年の2023年にデジタルリマスター化。高精細の映像と音響により、二度と撮影することができない人類の遺産ともいえる本作がよみがえった。
1984年優秀映画鑑賞会特薦/1984年日本映画ペンクラブ特別推薦/1984年度日本映画ペンクラブノンシアトリカル部門第1位/1984年キネマ旬報文化映画ベストテン2位/1986年シカゴ国際映画祭ドキュメンタリー部門銀賞
民族文化映像研究所 作品
1984年|デジタルリマスター:2023年|145分|カラー|4:3