『明日をへぐる』映画紹介

昨日は公開2日目、今日も劇場でたくさんの方と交流してきました!

ポレポレ東中野は、入り口から地下一階に降ると劇場があります。その階段の踊り場には現在たくさんの作品の写真やコメントを展示してあります。公開に合わせてスタッフと一緒に手作りで飾りつけしました。是非合わせてご鑑賞ください!!

 

映画評論家の野村正昭さんに『明日をへぐる』を紹介いただきました!

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『明日をへぐる』野村正昭(映画評論家)

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技術は、こんなふうにして伝承されてきたんだなあと、思わず襟を正したくなるような映画だ。『鳥の歌を越えて』(14) で、キネマ旬報文化映画ベストワンをはじめ、数々の映画賞を受賞した今井友樹監督の新作は、高知県の山あいで、和紙の原料である楮(こうぞ)を栽培し、紙を漉いてきた人たちの暮らしを描いたドキュメンタリー。楮の外側を何度も何度も削り落とし、繊維だけを残す=へぐる作業をする女性たちは、気負わず、淡々と従事しているのだが、そのへぐりから1000年以上の耐久性を持つ和紙が生まれる。美しい山の風景そして鳥や動物たちの声を含めて、ひとつの文化がここにはある。効率重視の社会にはない豊かさだ。かつて東陽一監督『絵の中のぼくの村』(96) の舞台にもなった山里だが、その出演者のひとりだった原田美枝子さんのナレーションも素晴らしい。